プログラム紹介

プログラムの特色

環境社会基盤国際プログラム

 多様化・複雑化・グローバル化する社会において、地球環境の維持、発展的な国土形成、自然災害への対策、安全・安心・快適な生活基盤の創出を相互のバランスに配慮しつつ実現することは、重要な社会的課題である。

 環境社会基盤国際プログラムに先立つ工学部環境社会デザイン学科では、上述の「環境」と調和した持続可能な「社会」の発展に、主に建設工学、環境工学の分野から貢献できる建設系技術者、すなわち、建設・環境工学に関する十分な専門知識・能力を備えるとともに、科学的分析に基づく社会デザイン・地域デザインの能力に長け、異分野協働で社会実装に取り組める、リーダーシップを兼ね備えた技術者を育成することを目的としている。

 環境社会基盤国際プログラムでは、高度専門科目と研究を通して、これらの能力を伸ばし、即戦力としての能力にまで引き上げることを目指す。環境と調和した持続可能な社会の発展のためには、多くの複雑な要素が絡み合う問題を解決していく必要がある。これに関わる技術者・研究者には、それらを適切に整理して解決すべき課題を見出し(主体的な課題探求能力の育成)、論理的な思考で課題解決の道筋を立てる能力とともに、技術者・研究者としての社会的責任・使命を自覚し、それを進んで実践できる社会性が要求される。

 例えば、災害に強いまちづくりを考える。まず、まちづくりをしようとする場所には、どのような災害が生じる可能性があるのかを知る必要がある。最新の研究情報を踏まえて、過去の災害事例や地形・地質・気候を知り、その場所がどのような地域的特性を持っているのかを把握する。次に、そのような場にこれまでにどのような社会基盤が構築され、また今後どのような社会基盤を整備していけば、災害に強いといえるまちづくりとなるのか、先端技術を応用しつつ、立案する(独創性、創造性、チャレンジ精神の涵養)。実際にまちづくりを実現しようとすれば、そこに居住する住民の意思も尊重することも大事であり、立案者として計画の実行可能性を適切に伝える必要がある(自らの考えや成果を、論理的に第三者に伝えるためのコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の育成)。さらに住民との対話の中で、何が問題なのかを明らかにし、住民を含むステークホルダーとともに最適な解を見出し、計画の実現に導く。

 様々な社会的課題に対して、この例のような俯瞰的な視野をもち社会的ニーズの解決に向けた研究・教育を継続的に行うことによって、環境社会基盤国際プログラムで養成すべき人材の育成を目指す。

 これに加えて、環境社会基盤国際プログラムでは、博士前期課程のカリキュラムにおいて国際的水準の教育を主に英語で行うカリキュラム体系を組んでいる。国や地域、文化など、多様な背景をもつ学生間での協働した研究の実施や日常生活での会話を通して、英語力を駆使してプロジェクトを実践できる能力を身につけるとともに、国際性を育成する。

 以上の実践により、環境社会基盤国際プログラムでは、独創性、創造性、チャレンジ精神、主体的な課題設定能力、論理的思考力を有し、地球規模の環境問題や激甚化した自然災害への防災・減災対策など多様化していく社会ニーズに応え、自然環境と調和した持続可能な社会基盤の計画・設計・施工・維持・管理技術を創造的かつ国際的に担うことができる人材を育成する。

埼玉大学工学部 環境社会デザイン学科へ
International Graduate Program
埼玉大学レジリエント社会研究センターへ
埼玉大学工学部建設工学科 建設系同窓会WEB名簿システムへ
← GOTOP